2008年1月17日 11:40
動機付け
歯周治療や保健指導の成否は、動機付けによって決まる。モチベーションのことである。歯肉出血がブラッシングの良否によって決まり、出血しなくなると歯周病原菌の栄養が断たれて菌叢が変化することを考えると、ブラッシングが如何に重要かがわかる。一人一人に上手にブラッシングをしてもらうためには、動機付けがポイントになる。
まず、自分自身が動機付けされた状況を思い出してみよう。他人の話を聞いて感動し、自分の行動が変わったと言う例は少ない。聞いたことで覚えているのは10パーセント、自分の喋ったことの75パーセント、実践したことの90パーセントは記憶していると言う。話をするだけではなく、相手に喋らせることの方がインパクトを与えるわけだが、経験してもらう方がもっと効果的である。これも覚えていると言うだけで、行動変容を起こした人の率ではない。
言葉は通じなくても、心は通じる。イヌは日本語を理解してしつけられているのではない。雰囲気で判断して行動を起こしている。動物は本来、周囲の雰囲気で判断して行動を起こすのだろう。言葉は通じ無くても心は通じる、とはこのことを言っているように思える。患者さんの動機付けも、言葉ではなくて雰囲気なのである。術者側の意気込みが患者さんに伝わると成功する確率が高くなる。術者磨きをした後、「目から鱗」だとか、「こんなにきれいにしてもらって申し訳ない」などと言う言葉が聞けたら、動機付けに成功したことになる。
全員を動機付けできる方法はない。一人一人みんな考え方や好き嫌いが違うからである。アマチュアだったら自分と波長があった人だけを相手にするのでよいが、プロとなると相手を選んでいるわけにはいかない。何人中、何人動機付けに成功したかが保健指導の専門家としての評価になる。そのためには、いろいろの人の特徴や考え方、バックグラウンドを知って保健指導しなければならない。経験と熟練が必要だ。



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