2008年1月24日 11:41

アルツハイマーの姉と暮らす

アルツハイマーの人は物忘れが激しく、ついさっき話したことも忘れてしまう。「お姉さん、雑巾持ってきて」と頼むと、「はーい」と言って洗面台の方へ行くが、 10‐20秒すると「あれ、私何しに行っただいネ?」と言って帰ってくる。表面上の会話は何も変なところはないが、時々同じことを何回も言う。「犬にえさやった?」 「犬にえさやった?」と2-3分ごとに聞く。しかし、2-3回聞くだけでそれより多いことはない。側頭葉と海馬が萎縮するとこんな症状が起こるらしい。
 痴呆老人はお昼ご飯を食べた直後でも、「まだ食べてない」と言うことがあるから、それを否定せず「今、用意するからね」と答えたらよいという。そうすれば当事者の気分を損なわず、またすぐわすれてしまうからそれほど気にしなくてもよいとも言う。また汚物を畳のうえにまき散らし、手でこねまわしているのは、汚れを処理しようとしているけれど、解決策が見つからず必死なってこねているのだから、「お掃除してくれて、ありがとう」と言って、そこから手を引いてもらえばよいとも言う。遊びに来てもらった最初の2-3日はそうなんだと納得できるが、一週間もするとこちらが面倒くさくなってしまう。姉は親切心からお手伝いをしてくれようとするが、かえって手間取るので、つい、「お姉さん、いいよ」と言ってしまう。
 昔はあんなにしっかりしていた姉なのに、今のこの状況がわからないのかと思うと、カッカとくる。「お姉さんは病気なのだから、仕方が無いでしょう」と言う声が聞こえる。精神的な病に対する慈悲の心は、なかなか生まれ辛い。私自身が渦中にはまらないように、周囲の現象を一歩退いてみなければならない。
 三週間の姉の滞在は、もう終わりだ。向うに帰ったら実家での介護も大変だろう。周りの話を聞くと、この程度ならまだ軽症の部類だという。

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